パッチギ
自らの意志で守りたいと思うモノに対して、体を張り、命を賭す。
作中に登場する、大東亜共栄圏内の徴兵とか、
某特攻隊映画ともとれる劇中映画「太平洋のサムライ」とか、
自由意志を越えたところで命を賭さざるをえないのとは違う、何かがある。
生き抜くため、あるいは何かを守るため、
自ら進んで泥をかぶることも辞さないところにある、輝き。
誇れるような泥ではないこともままあるけれど、
そこには、ヒトが生きているという実感が、ある。
そのときは彼によろしく
何かを待ち続けること、本当に大丈夫なのかという不安。
それらに打ち克ち、進むこと。
spanの短い、一般的なものとしては、睡眠。
spanの長いものの代表として作中に出てくる、鬼蓮の種。
そして…本作のキーとなる話。
もちろん、そんな極端なモノばかりではなくて、
普通に生活している中にも、不安なんて山ほどあるんだけど。
決定的崩壊や物理的破損といった、
きっぱり割り切って次っ、ていう話でなければ、
そこには一縷の望みと大きな不安が生まれます。
それを乗り越えていくパワーと、
その先にある感動を垣間見せてくれる一本ですね。
陽子ちゃんライブ
お茶の水KAKADOで友人がライブをやるということで、
聴きに行ってきました。
パワーのあるVoice。
でも、ちょっとMCとちりすぎなんじゃ?(笑)
俺は、君のためにこそ死ににいく
みーんな、素晴らしか、美しか若者たちでございもした。
って、確かに、
人生の枠の中で精一杯生きることとか、
何かを守るために命を投げ出していくとか、
飛び立っていった若者たちの表側だけ見れば、
確かに美しく素晴らしい側面もあるかもしれません。
しかし、
そういう若者たちの命を利用し、特攻を指揮した側、
戦時洗脳体制とでも呼べるような、特殊な環境、
そして、映画では描かれていない、
特攻志願者をつのる施設の話。
そういう、どろどろした側面があるのが、戦争。
まぁ、ある種の嘔吐感を伴うような話ばかり並べても
なかなか感動作にはならないわけですが、
そういう側面もある、ということを忘れずにいたいと、
筆者は思います。
女帝
愛とか憎しみとか権力とか復讐とか背徳とか言うよりも、
それらがもっと濃縮された、理性とエゴの火花ですね、これは。
燃えさかる炎、その奥に潜む甘美さ。
そして、その炎が周囲に刻む、爪痕。
あまりにも強いその炎は、どこまで焼き尽くすのか…
暗殺者がいっぱい
ひとりのターゲットに掛けられた、高額な報奨金。
それを狙って、ならず者たちが集まる。
集まった連中は…ターゲットも狙うが、他のチームの足も引っ張る。
まさに、船頭多くして、船、山に登るですな。
しかも、高額報償というエサで、船頭を増やしてしまっては、
どうにもなりませんね。
陰謀とエゴと策略と誤解の渦巻くにわか戦場の行く末は…
全てのエゴがぶつかり合い、全てのエゴが砕け散る。