暗殺者がいっぱい
ひとりのターゲットに掛けられた、高額な報奨金。
それを狙って、ならず者たちが集まる。
集まった連中は…ターゲットも狙うが、他のチームの足も引っ張る。
まさに、船頭多くして、船、山に登るですな。
しかも、高額報償というエサで、船頭を増やしてしまっては、
どうにもなりませんね。
陰謀とエゴと策略と誤解の渦巻くにわか戦場の行く末は…
全てのエゴがぶつかり合い、全てのエゴが砕け散る。
世界の北野
ギャング映画を封印し、
撮った映画はギャグ映画。
とでも言ったところでしょうか。
前半は、短編をあれこれ撮っていく監督の葛藤、というか、
脚本さえマトモにセレクションすれば、どんな映画でも撮れそうだなー、
と思わせるほど、技巧的には問題なさげで。
でも、セレクションしてくる脚本が、どーもギャグ路線。
映画好きに贈る…というか、
いろんな映画をパロってるから、元を知ってたほうが楽しめるというか。
後半はそれでも1本のストーリーにまとまってくるんだけど、
前半であれこれやったことが伏線として絡んできたりして。
北野の脳と、ビートのスタンスがミックスされた、
アタマを使うバカ映画、とでも言ったところでしょうか。
単純に笑うもヨシ、複雑に絡むストーリーを追うもヨシ、
っていうのは微妙にニッチな気もしますが(笑)
秒速5センチメートル
lowteen、highteen、そして成人と、
初恋的な純情を綴る3連作。
現代的大人になるにつれ、忘れていくような切なさと言うのかな、
ほのかに甘酸っぱくてかつほろ苦い世界、とでも言うのかな、
大作映画的な「おぉっスゲェ~」というのは無いけれど、
心に響く名作ですね、これは。
主人公は僕だった
実体験をベースに脚色して、自分を主人公にして小説化する…
というのは聞く話ですが(以前、筆者もやったことがあります ^^;)
これは、別の誰かが書いている(進行中の)小説とリンクしてしまう男の話。
しかも…小説のエンディングは、主人公は死んでしまうという筋書きで。
迫り来る死の運命、死に対する葛藤、
そのカギを握っている小説家へのアプローチ…
意に反して何かを失いつつある時の、ヒトの行動。
それが空想の世界だけの出来事なのか、
現実とリンクしている出来事なのかは定かではないけれど、
誰かの運命の鍵を握る立場。
ヒトは果たして、誰かに対して悲劇を突き付けることが出来るのか。
心の深淵を覗き込むようなストーリーですね。