舞妓Haaaan!!!
舞妓Haaaan!!!、どす。
原動力としての人の欲。
当てつけ勝負的に次から次へと展開されていく新事業。
…見失う本質。
その全てを抱腹絶倒エンターテイメントで包含する
宮藤官九郎&阿部サダヲの世界と、
華で彩る舞妓ワールド。
ストーリーの裏側というか、難しいことを考えようとしても、
全て笑いで飛んでいってしまいます。
まぁ、それでいいんでしょう、きっと。
きみにしか聞こえない
拾ったオモチャの電話が鳴る。
机の中に仕舞ってきたはずの電話が近くにある。
…ってホラーだっけ?これ(笑)
脳の中に直接繋がる電話…
ってテレパシーみたいなもんですかね。
しかも、時間軸すらズレていたりして。
とまぁ、
ビックリするようなスタートですが、
本筋に入れば青春ちっくな恋愛話というか。
そして…
伝えることが出来るものと、伝えきれないものと、
伝え損ねたものと、伝えてはイケナイものと。
成長しようとする心、に響くストーリーですね。
プレステージ
故意か偶然か、
トリックか科学か魔術か、
興業か偉業か勝負か、
表の華々しさか、裏のドロドロか、
枝分かれした道のどちら側に立っているのが、本当の自分なのか。
支払われる犠牲という対価、
道を見失うプロセス、
観衆の歓声を偉業への賞賛として受け陶酔するところに潜む、人生の罠。
あるスキャンダルの覚え書き
自由、
孤独、
心の隙間。
枯渇感に突き動かされ、道を見誤る。
正論に対しても、牙を向ける。
そして、堕落。
一方、
その堕落を前提に、支配を企む輩。
正論のフリをした、邪なアプローチ。
邪念は露見し、諸々を失う。
いずれも、エゴによる視野狭窄。
その狭窄に嵌るのも解らなくはないが、
もっとも嵌りたくないモノの1つでもある。
パッチギ
自らの意志で守りたいと思うモノに対して、体を張り、命を賭す。
作中に登場する、大東亜共栄圏内の徴兵とか、
某特攻隊映画ともとれる劇中映画「太平洋のサムライ」とか、
自由意志を越えたところで命を賭さざるをえないのとは違う、何かがある。
生き抜くため、あるいは何かを守るため、
自ら進んで泥をかぶることも辞さないところにある、輝き。
誇れるような泥ではないこともままあるけれど、
そこには、ヒトが生きているという実感が、ある。
そのときは彼によろしく
何かを待ち続けること、本当に大丈夫なのかという不安。
それらに打ち克ち、進むこと。
spanの短い、一般的なものとしては、睡眠。
spanの長いものの代表として作中に出てくる、鬼蓮の種。
そして…本作のキーとなる話。
もちろん、そんな極端なモノばかりではなくて、
普通に生活している中にも、不安なんて山ほどあるんだけど。
決定的崩壊や物理的破損といった、
きっぱり割り切って次っ、ていう話でなければ、
そこには一縷の望みと大きな不安が生まれます。
それを乗り越えていくパワーと、
その先にある感動を垣間見せてくれる一本ですね。
俺は、君のためにこそ死ににいく
みーんな、素晴らしか、美しか若者たちでございもした。
って、確かに、
人生の枠の中で精一杯生きることとか、
何かを守るために命を投げ出していくとか、
飛び立っていった若者たちの表側だけ見れば、
確かに美しく素晴らしい側面もあるかもしれません。
しかし、
そういう若者たちの命を利用し、特攻を指揮した側、
戦時洗脳体制とでも呼べるような、特殊な環境、
そして、映画では描かれていない、
特攻志願者をつのる施設の話。
そういう、どろどろした側面があるのが、戦争。
まぁ、ある種の嘔吐感を伴うような話ばかり並べても
なかなか感動作にはならないわけですが、
そういう側面もある、ということを忘れずにいたいと、
筆者は思います。
女帝
愛とか憎しみとか権力とか復讐とか背徳とか言うよりも、
それらがもっと濃縮された、理性とエゴの火花ですね、これは。
燃えさかる炎、その奥に潜む甘美さ。
そして、その炎が周囲に刻む、爪痕。
あまりにも強いその炎は、どこまで焼き尽くすのか…
暗殺者がいっぱい
ひとりのターゲットに掛けられた、高額な報奨金。
それを狙って、ならず者たちが集まる。
集まった連中は…ターゲットも狙うが、他のチームの足も引っ張る。
まさに、船頭多くして、船、山に登るですな。
しかも、高額報償というエサで、船頭を増やしてしまっては、
どうにもなりませんね。
陰謀とエゴと策略と誤解の渦巻くにわか戦場の行く末は…
全てのエゴがぶつかり合い、全てのエゴが砕け散る。