音楽著作権事情
音楽CDが売れない売れないって言ってるけれど。
まぁ媒体としてCDにするかダウンロードコンテンツにするか、
という話もあるけれど、
何だかんだ言ってもライブ系インディーズの手売りだって同人界隈だって、
記録媒体としてはCD-Rを使うことは多いわけで。
で、別にCD媒体を毛嫌いするでもなく、それなりには売れるんですね。
カーオーディオはシリコンオーディオ化が進んでもその取り込みにはCDデッキが現役、
家庭用DVDプレイヤーだってCD再生くらいは互換機能として付いてるし、
小型軽量化重視の最近のパソコンはともかく機能重視のパソコンならCD/DVDはまだまだ現役。
作る方だって、50枚売りのCD-Rを買ってきてパソコンで手軽にCD-DAが作り出せる。
ということは、主にメジャー界隈の話ってことで良いのかな?
さてさて。
コピーの品質が上がったから、なんて、
「何をいまさら…」と思う筆者です。
昔からラジオ放送とかで楽曲は流されていて、
でもテープデッキ等のアナログ記録媒体ではコピー時の劣化もそれなりにあって、
AM放送よりもFM放送のほうが帯域的な理由でハイクォリティに送出できて、
でも放送では1コーラスしかかからなかったり、イントロにはDJの声が乗っていたりして…
それが、放送では編集的手抜きでクリーンなフルコーラスがかかるようになり、
PCM放送などのデジタル伝送になることで伝送中の劣化はなくなり、
記録保存の方式もデジタル化されたことで保存劣化や複製劣化もなくなって。
ってね、
そこで「高品質で抜き取ることが可能になったから」という理由で慌て出すのは
いまさらな話だよなぁ、と思うわけです。
もともと「楽曲を利用した番組作り」の世界ですからね。
しかも、
アーティスト自身が「放送に乗せるVerは低品質伝送で、高品質版はCD買ってね」
とか言ってるわけじゃなくて、間に入ってる権利団体が勝手に騒いでるわけで。
高品質伝送なら幾ら、低品質伝送なら幾ら、とかいう価格差の話になってるわけでもないし。
更には、コンテンツ自体の利用に課金するわけじゃなくて、
コンテンツを扱えるプラットフォームに対して課金しようとする。
これはもう、著作物の利用対価から明らかに外れた話でしかないのです。
それ以前に、現行の私的録音録画補償金制度だって、
どんなコンテンツをどれだけ記録したかとか、一切関係ないわけです。
どんぶり勘定の統計を元に類推してるだけですし、
対象団体の管理していないコンテンツの保存にしか利用していなくても、
あらかじめそれが加算された状態で販売されている記録媒体だったりするわけです。
もっとも、利用用途を明確に表明して申請したら返金される仕組みはあるようですが、
それをどれだけの人が知っていて、どれだけ利用されているというのでしょう。
結局のところ、原著作者の権利を守ってるんじゃなくて、
「権利守ってあげるよー、という商売」の権利を守ろうとしてるだけ、ってことですね。
そりゃ、そういう仕組みの上で流通しているアイテムから消費者が離れるのも
必然的なんじゃないかと思う、筆者でした。
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