需要と供給、そして生産量
土用の丑。
今日のニュースを見ると、うなぎの話があちこちにあるのだけれど、
どうもその内容がおかしい。
一方では、稚魚減少や輸出入規制に関連して、価格高騰のニュース。
もう一方では、値下げのニュース。
え?いったいどっちなの!?
この現象、立場を変えて見てみると、その実体が見えてくるのです。
価格は需要と供給のバランスである、というのはどの立場でも一緒ですが…
資源量が減ってしまったから、供給量が下がっても商売を成り立たせるため、単価を上げて対応する。
単価が上がってしまうと需要が下がってしまうので、需要量つまり販売点数を維持するために価格を下げて対応する。
それぞれの立場でそれぞれの商売を最適化しようとしているわけですが、
さて皺寄せはどこに行くのでしょうか?
流通販売が赤字覚悟で高く買って安く売る、では彼らの商売は成り立たないですから、
高く売ろうとして需要量を下げるか、安く仕入れてくるかの2択となり、
でもやりたいことは価格を下げての対応なので、仕入れを安くしようとする方向に動く。
ということは生産元というか資源を獲る人たちが今度は安価供給を迫られるわけで、
安い単価でしか売れないとなると大量漁獲に行かざるを得ず、ますます資源が減ることになる、と。
資源が無限なら何の問題もないのでしょうが、
残念なことに、資源は有限です。
しかも、じゃあお金を地球に投資したら資源が増えるかと言ったら、
そんなこともありえないのです。
うなぎというか食料に限った話じゃなくて、鉱物だってエネルギーだって有限なのです。
もっと言えば、2次3次の加工品だって、材料を考えればやっぱり有限なのです。
でも、それを忘れて、市場原理だけの世界で、
需要と供給のバランスという机上だけで、薄利多売という歯車を回す。
確かに、資本主義の市場経済はそこで回っているのですが、
果たしてそれで回り続けるのかと言えば…
資源。物理的な存在の絶対量。
ここを忘れるわけにはいかないと、筆者は思っています。
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