BABEL
エホバ降りて、彼の人々の建つる街と塔を見給えり。
いざ我ら降り、彼処にて彼らの言葉を乱し、互いに言葉を通ずることを得ざらしめん。
故にその名は、バベルと呼ばる。
バベル、と言われると機動警察パトレイバー the Movieを真っ先に思い出す筆者です。
上に挙げた旧約聖書の一節も、後藤隊長のセリフで語られたバージョンだったりします(笑)
それはともかく。
話題の映画、BABELです。
互いに言葉が通じない…どころか、
生活様式も文化も思考回路も、何もかもが異なる人々。
いや、
たとえ言葉は通じる相手だとしても、
世代、性別、職業など、さまざまな前提によって、
相手のことを理解することが出来ない、人々。
彼らは、自分のことを理解させようとして、
でも、相手のことを理解しようという心を持てずに、
結果、コミュニケーションの谷間に落ち、悩む。
神の怒りに沈んだ都市。
バビロンしかり、ソドムとゴモラしかり。
かの話の教訓であるはずの、人間のエゴ。
でも。
語られてるストーリーは上に挙げたように深いんですが、
同じタイミングに起こったことを複数の視点で描き出している都合上、
つまり時間軸がパラレルになっている分だけ、
話そのものがとても短い印象が…。
イマイチ、2時間なりの映画を1本見たなぁ、
という充足感は弱かったですね ^^;
しかし、
刺激の強い効果で気分を悪くされたというご指摘が…
という注意分のくだりは、どーなのかなぁ、と。
筆者的には、
動きと視覚刺激のシーンの中で、急に音がカットされたことで、
耳を患った時に経験した平衡感覚異常に近い感覚、
言い換えれば、酔いや眩みに近い感覚は感じましたが、
チエコの感覚を映像上に表現したと言う意味では
過剰なくらいピタッとハマる技巧かなぁ、と思いました。
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