千早振る
千早振る 神代も聞かず竜田川 唐紅に水くぐるとわ
って、在原業平のほうの話ではなくて、落語のお話。
たまたま、たまには落語でも~と思ってピックアップしたら出てきたんですが。
まず登場するのが、大関・竜田川。当時の大関と言えば、角界トップ。
それと、千早太夫。吉原トップと言われる、全盛の花魁。
で、この大関が千早太夫を招こうとするんだけど、「相撲取りはイヤじゃ。」
とばかりに振られてしまうんですね。
仕方がないと言うことで、千早太夫の妹で新人の神代を招こうと言うことになるんだけど、
こちらもまた、「姉がイヤなものはあちきもイヤでありんす」と聞き入れてはもらえず。
えぇい、こんなのやってられん、と、
竜田川関は角界を引退して、実家の豆腐屋を継いでしまいます。
それから幾年月。
ある秋の日の夕方、竜田川豆腐店の店先に、一人の女乞食が。
「あぁ、なにか食べ物を恵んではいただけませんか?」
心優しき竜田川、こんなものでも良けりゃあと、
傍らにあったおからの桶に手を掛けて…っと、
よく見りゃ、その女乞食は、千早太夫のなれの果て。
「おのれ、あの時の千早太夫やないかい。お前なんかこのおからはやれんわい」
「あぁ、あなたはあの時の竜田川さま。わがまま気まま、数々の客を騙した報いが今ここに…」
なんてやりとりがあったかと思うと、
嘆き悲しんだ千早は横手にあった古井戸へドボーン…
とまぁ、たまたま引き当てた落語に、
人間、全盛の時ほど、つつましやかに生きなあかん、
人間、勢いのあるときほど、周りに気を配って生きなあかん、と
そんなことを説かれてしまいました(笑)
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