配信数統計のウソ・ホント
筆者がPodcast配信に関わって、
かれこれ5年くらいになりますか。
喋る方もやってるし、録音や編集もやってるし、
貸し配信サーバーなんぞもやってるし。
そんな中で、常について回るのが、リスナー数統計やアクセス数統計など。
いろんなサービスでの集計を見てきて、
あるいは、自分で運営するサーバーのアクセスログを見て、
いやはや、いろんな観点からの集計があるなぁ、と。
そんな中、最近、
単一配信回でのDL数が数百万件!なんてニュースが話題になってみたり、
その一方で、HTTPステータス206が大量発生!なんて話が聞こえてきたり、
なんかUserAgentに「AppleCoreMedia」がいっぱいあるけど?なんて話だったり。
実際、その辺ってどうなのかな?
ってことで、あれこれと調べてみました。
Podcastと言うと、RSSにマルチメディアデータを載せて、
つまり更新したらココに掲載されるよというリストを作っておいて、
それを自動巡回するツールが更新を見つけるとファイル実体をダウンロードして、
あとはそれをPC上で再生するなりiPodなどのシリコンオーディオに移して持ち歩くなり、
というのがまぁ一般的な流れだったわけですが。
最近は、モバイルアクセス可能なシリコンオーディオ、
つまりはiPhoneやAndroidだったりiPodTouch+モバイルWiFiだったりの普及もあって、
ダウンロードが途中で切れて、次の接続で続きからとか、
擬似的にストリーミング再生の体裁で、部分部分を細切れで転送したりとか、
そういうアクセスもかなり増えてきました。
それでどういうことになるかというと、
例えば、48kbpsフォーマットで30分番組にアートワークを付加すると
10MBをちょっと超えるくらいになるのですが、
これをストリーミング的に64kBずつ細切れでアクセスされると、
なんと1再生で160ヒットも計上されるわけです。
極端な話、こういうアクセスが6300件もあれば、
ヒット数で言えば100万件に到達するわけですね。
192kbpsフォーマットの60分番組、音声部70MBにアートワーク5MBで計算すると
64kBで割ったら1再生1200ヒットですから、8300件のアクセスで1000万ヒットに。
まぁ、それはとても極端な例で、
実際には1ヒットで1ファイル全体をダウンロードしていくような
安定通信環境のクライアントも多数あるのですが、
統計の方法次第では、こういったことも起こりうる、ってことですね。
あるいは、リスナー数の統計だって、
ある日のRSSへのアクセス数、としたところで、
1日1回の巡回に設定してあるクライアントもあれば、
1時間1回、つまり1日24回の巡回に設定してあるクライアントもありますし、
起動した時だけ手動で巡回に行くクライアントだってあるわけです。
それらを、ヒット数でカウントするか、IPアドレスなどで名寄せするか。
そして更に、それを日単位の値として確定させて累計を出していくとか。
100万リスナー達成で殿堂入り、なんてのも、
こうした統計の綾で作られている…のかもしれませんね。
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