ステージを撮影するということ
筆者は、最近は主に音声系のコンテンツ制作で収録編集側に回ったり、
あるいは自身も声を出したりといったことをしていますが、
その傍ら、仕事としてライブステージの写真を撮ったりもしています。
しかし…一般撮影okの現場でも、一般でカメラを持ち込んでいる人を見ると、
何というか、撮っている自分に酔うことを楽しみたいだけのような、
いたたまれない気持ちになることが、あります。
筆者自身もトークライブなどでステージ上から客席を見ることもあるのですが、
フラッシュを焚くのは言わずもがな、測距補助用の白やオレンジの光も目立ちます。
それどころか、赤外測距タイプのものでも赤い光が大抵見えますね。
測距補助光をoffにしたら、オートフォーカスはまず利きません。
それと、音。
シャッターやミラーの作動音は不可避とはいえ、
撮影者の撮ってる感のためだけに、ボディ内で反響するような機種もあったり。
合焦時の電子音を切って無くて、PiPiっと鳴ってる人も居ますね。
ロック系の大音響ではかき消されることもありますが、
クラシックでは時計の針の音ですら気にされる方も居ます。
更に、最近はファインダーを覗かずとも大型液晶画面で見ることのできる機種も
増えてきていますが、あれは客席後方から見ていても、とても目立ちます。
上ではステージ上への配慮の話をしましたが、
お客さん同士の配慮もまた、必要なことではないでしょうか。
それでも、ステージ上にしかない表情や姿を少しでも残そうとするのが、
フォトグラファーとしての活動だと、思ってます。
暗い中ではオートフォーカスなんてほとんど利かないから、マニュアル操作。
少しでも明るさを稼ぐために、F値の小さいレンズ。
撮影音や自分の姿をステージから遠ざけるために、望遠系のレンズ。
被写界深度が薄くなっていき、操作もどんどんシビアになっていきます。
技術が必要な世界ですが、だからこその「仕事」です。
気楽に扱える機材も世の中に増えてはいるけれど、
配慮あってこその道具ではないかなと、思います。
コメントを残す