ダリ考。
上野を歩いていて、
ふと「ダリ回顧展」が開催中なのを思い出す。
確か18時までだったよなー…ということで、
寄ってみることにしました。
ダリ。
普通に話をしている中で彼の名が出てくる時、
おそらくはシュールレアリスムの話をしていることだろうと思います。
しかし、今日この展示を観ていて、
筆者は、やや異なる印象を受けました。
まず根底にあるのが、
「パン籠」などに見られるような、描画技術そのものの精巧さでしょう。
「船」などに見られるような、コラージュ合成の技巧の凄さも、見逃せません。
その上で、例えば映画版の「攻殻機動隊」に見られるような
4Dフィルター加工…つまり、ある物体を3次元的にぐにゃぐにゃと曲げて、
更に時間経過によるズレや歪みまでを表現すること、まで
全て、彼の頭と手で実現されているのは、驚異としか言いようがありません。
さて、
その超高度な技術だけでも充分に芸術として成り立つであろうところで、
彼の描いたものは何だったのか…
筆者はここに、現代脳医学的な話を持ち込みたいと思います。
みなさんは、海馬、というのを御存知でしょうか。
脳の中の一部分で、人間が寝ている時に働き、
起きて活動している間に得た情報を再編集したり再合成したりするもの。
夢における理不尽なストーリー展開や、新しいひらめきなども、
この再合成の産物であると、言われています。
筆者が思うに、
ダリ芸術というのは、この「夢」の世界を写生したものなのではないかな、と。
そして、観る者は、その幻想的に合成された風景に惹かれるのではないかな、と。
そんなことを感じました。
個々の画が何を表現しようとしているか、
各部分は何をモチーフに、どんな意味で描かれているか、
そこまでは、よくわかりません。
でも、その幻想的な風景と、驚異的な描画技術によって表現されたものは、
芸術としてとても素晴らしいものではないでしょうか。
そんなことを思った、ダリ回顧展でした。
ダリ展、混んでいませんでしたか?
彼が何を考えて描いたのか、正直謎でした。
音声ガイドを聞きながら見たのですが、ちょっとは読み解けても、ほかの画家の絵のように、共感っていうのかな、風景画を見るような感覚とは違った見方してました。
ピカソを見ていても思うことですが、見た世界を頭の中で変化させて自由に表現できる才能と技術は、本当に感服します(≧▽≦;)
混んでましたねー。
現在時刻+待ち時間+鑑賞時間=閉館時刻、って感じの時に行ったんですが、
30分待ちでした(汗)
人が集まり易すぎる場所、ってのも考えものです…