埋め立て地
たまたま、東京湾の埋立地エリアを通った。
東京の埋め立て地と言うと、お台場有明あたりを想像する人も多いかもしれない。
…まぁ、その辺でもいい。これからする話の、イメージの参考にはなるだろう。
お台場から青海、更にその南側。
そんなところに何があるのか?
お台場だって、フジテレビ周辺の商業施設くらいしか思いつかない、
という人は多いだろう。
そんな地域に、ゆりかもめやりんかい線の高い運賃を払ってまで
わざわざ行こうと思えない人も、居るかもしれない。
ちょっと東に行って、有明のビッグサイトとかであれば、
まぁ巨大展示会場を都心の繁華街に置くわけにもいかないよね、
という気持ちにもなるのかもしれないけれど。
さて、そんな地域よりも、更に南である。
実はここに、羽田方面へのトンネルと、若洲方面への橋がある。
殺風景な埋め立て地、まだ特にこれと行って利用されていない島とともに。
一応、かの地の管理棟らしき建物や、
巨大コンテナ置き場のようになっている場所は、ある。
だがそれ以外は、クルマがただただ通過するのみ。
そこから南西方面、羽田から横浜湾岸方面にかけては、工場地帯。
反対に北東方面、若洲から新木場方面は、倉庫系が多い。
というか、お台場の商業施設も含め、
この湾岸埋め立て地には「生活感」が、無い。
いや、新木場方面に行けば、町工場兼住宅のような若干の生活臭もあるし、
東雲から豊洲方面を望めば、巨大タワーマンションが数多く建設されている。
だが、その単位エリア内のエコシステムが循環する気配はなく、
そこに漂うのは、前者であれば仮眠室的空気感であり、
後者であれば団地やニュータウン的な新興ベッドタウン感である。
やはり、ただ土地だけが出現しても、
そこにはある種極端な商工業系統しか根付かないのか…
あるいは、開拓入植のような、新しい土地で生活する集団を組織しないと
そこに生活圏は生まれないのだろうか?
東京の埋め立て地であれば、まだいい。
すぐ目の前に巨大な都市があるのだから、
生活感のない住居からはじまったところで、
いずれは家族ができ、子供が増え、生活の根も生えるかもしれない。
しかし、この埋め立て地の殺風景感が、
ふと、整地された津波被害地域と、重なった。
かの地を、どう、復興していくのだろう…
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